アセットオーナー・プリンシプルの受入れについて

エヌ・ティ・ティ企業年金基金(以下、「当基金」という)は、アセットオーナー・プリンシプルの各原則に賛同し、受け入れることを表明します。

 

原則1

アセットオーナーは、受益者等の最善の利益を勘案し、何のために運用を行うのかという運用目的を定め、適切な手続に基づく意思決定の下、経済・金融環境等を踏まえつつ、運用目的に合った運用目標及び運用方針を定めるべきである。また、これらは状況変化に応じて適切に見直すべきである。

 

当基金は年金給付金等の支払いを将来にわたって確実に行うこと、その財源を長期的に確保することを運用目的としています。受益者等の利益のために、リターンやリスク等の運用目標及び政策的資産構成割合や運用対象資産等の運用方針を定め、年金積立金の運用を行います。

これら運用目標等については、受益者を代表する代議員会等で審議・策定する他、年金制度の状況や経済・金融環境の変化を踏まえつつ、定期的に検証し、必要に応じて適切に見直します。

 

原則2

受益者等の最善の利益を追求する上では、アセットオーナーにおいて専門的知見に基づいて行動することが求められる。そこで、アセットオーナーは、原則1の運用目標・運用方針に照らして必要な人材確保などの体制整備を行い、その体制を適切に機能させるとともに、知見の補充・充実のために必要な場合には、外部知見の活用や外部委託を検討すべきである。

 

当基金は適切な資産運用とリスク管理により長期的に運用目標を達成するため、運用執行理事を設置するとともに、知見及び資質を備えた人員を計画的に専任者として配置・育成し、運用を執行します。加えて、更なる知見の補充・充実のために、必要に応じて金融機関や外部コンサルティング等を活用します。

また、運用目標・運用方針の策定及び見直し、運用委託先の評価等に当たっては、代議員会等により監督し、執行と監督それぞれが機能する適切なガバナンスを構築します。

 

原則3

アセットオーナーは、運用目標の実現のため、運用方針に基づき、自己又は第三者ではなく受益者等の利益の観点から運用方法の選択を適切に行うほか、投資先の分散をはじめとするリスク管理を適切に行うべきである。特に、運用を金融機関等に委託する場合は、利益相反を適切に管理しつつ最適な運用委託先を選定するとともに、定期的な見直しを行うべきである。

 

当基金は長期的な運用目標の実現のため、運用方針に基づき、投資対象資産や運用方法の多様化を進めるとともに、資産全体・各資産クラス・各運用委託先等のそれぞれの段階において、モニタリングと適切なリスク管理を行います。

運用委託先の選定に当たっては、運用方針に基づき、適切な利益相反管理のもと、最適な選定に努めます。また、定期的なヒアリングと運用実績等による評価を踏まえ、委託額の変更や委託先の解約及び追加等の見直しを行います。

原則4

アセットオーナーは、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、運用状況についての情報提供(「見える化」)を行い、ステークホルダーとの対話に役立てるべきである。

 

当基金は受益者等に対し、ウェブサイトを通じ、運用目標、運用方針に加え、各事業年度における運用状況や財政状況等に関する情報提供を行います。

受益者のための情報提供については、受益者が当基金の運用方針や運用状況等を理解し、運用目的に照らして適切な運用が実施されているかどうかを把握できるよう、充実を図ります。

 

原則5

アセットオーナーは、受益者等のために運用目標の実現を図るに当たり、自ら又は運用委託先の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の持続的成長に資するよう必要な工夫をすべきである。

 

当基金は長期的な運用目標の実現のため、運用委託先に対し、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)等の実施を求め、投資先企業の企業価値の向上やその持続的成長を促す責任(スチュワードシップ責任)を果たします。

そのため、当基金は2018年6月に『責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)』の受入れを表明しています。運用戦略に応じたサステナビリィに配慮した運用も含め、各運用委託先との対話・要請の機会を定期的に確保し、その結果をウェブサイトで受益者等にも情報提供するなど、中長期的な利益獲得のための活動に継続的に取り組んでいます。

2025年3月策定